【お役立ちコラム】

資格・検定試験のトレンド、CBTとIBT。主催・運営側にとってのメリット・デメリットとは

まもなく新年度が始まります。新しいことにチャレンジしたくなるシーズンですね!
何か資格を取ろうと思い立つ方も多いのではないでしょうか。

2020年からの2年間は、コロナ禍で多くの資格試験が延期・中止となりました。
従来の筆記試験のような、大会場に受験者を集めて一斉に試験を行うことが難しいなか、コンピューターで解答する「CBT」「IBT」という新しい試験スタイルの導入が進んでいます。

 

CBTとIBT、それぞれの特徴

 

CBT(Computer Based Testing)
テストセンターと呼ばれる試験会場に集まり、用意されたパソコンで受験します。全国各地に会場があり、試験日も年に複数回設定されることが多いため、延期や中止になっても振り替えやすく、受験の機会がずっと多くなります。また、試験中は試験官が監視するため、替え玉受験やカンニングなどの不正も防止できるといわれています。

 

IBT(Internet Based Testing)
受験者は自分のパソコンやスマートフォンを使い、インターネット回線を経由して受験します。インターネット環境があれば、いつでもどこでも受験ができますし、受験人数の制限もありません。ただ、端末のスペックやネット回線の影響を受けてしまうこと、また本人確認や試験中の不正防止が難しいことが難点です。

 

国家資格からスキルアップまで、さまざまな資格・検定で進む導入

 

本人確認や不正防止ができるCBTは、国家試験のほか大学入試などでも採用されています。

CBTで試験を実施している資格・検定
・ITパスポート
・マーケティング検定
・経理・財務スキル検定(FASS検定)
・実用英語技能検定
・日商簿記検定
・アマチュア野球公認審判員
・日本漢字能力検定
・世界遺産検定  など

 

対してIBTは、試験の厳格性や公平性の担保が難しいため、合格が重要視されるような資格ではなく、自己啓発色の強い検定や適正検査、模試などで採用が進んでいます。

IBTで試験を実施している資格・検定
・カラーコーディネーター検定試験、ビジネス実務法務検定試験など
(東京商工会議所が企画している6検定)
・TOEIC® L&R IPテスト
・医療事務技能認定試験  など

 

不正防止が難しいといわれるIBTですが、最近では試験官による遠隔監視やAIを用いた画像解析など、不正を防ぐための工夫も進んでいます。これをクリアできれば、利便性の高いIBTの導入はさらに広がることが予想されます。

 

主催者のメリット・デメリット

 

受験機会が増え、受験者にとってはメリットの多いCBT・IBTですが、主催・運営側にはどのようなメリット・デメリットが考えられるでしょうか。

 

メリット
パソコンでの出題・解答となりますので、問題・解答用紙等の印刷、保管、配送などが不要となり、その手間やコストが削減できます。IBTなら、会場手配の手間とコストも削減できます。また、災害などの緊急事態に強いのもCBT・IBTの特徴。複数開催できるので、試験全体が開催中止となるリスクを軽減できます。受験者は振り替え受験がしやすくなり、トータルでの受験者増が見込めます。動画や音声を使った多彩な試験問題が出題できることも魅力の一つ。受験者の資質をはかる指標が増やせ、競合資格との差別化も図れます。さらに自動採点ができるので、採点や点数の集計作業が効率化できることはもちろん、結果判定がスピードアップし資格取得までの時間が短くなることで受験者のモチベーションが高まり、受験者数の増加につながるかもしれません。

 

デメリット
筆記試験のような大会場ではないにしても、会場や受験用のパソコンが必要となるCBTの導入には、それなりのコストがかかります。また、会場がいらないIBTにしても、試験を実施・運営するためにはパソコンやネットワーク等の知識が必要です。コンピューターやネットワークを使うため、システムエラーや通信障害などのハプニングが起こる可能性もあります。また、筆記試験のような一斉受験ではないため、出題問題が被らないよう問題数をたくさん用意する必要があります。さらに、記述問題が出しづらい・採点しづらいことは、検定・資格の内容によっては弱点ともいえます。

 

これだけが理由ではありませんが、従来どおりの筆記試験を行っている資格はまだまだあります。
試験スタイルの選択肢が増えたいま、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて最良の方式で実施したいものですね。


エデュプレスでは、長年、教育支援ツールの制作やセミナーを主催してきたノウハウを活かし、検定・認定試験、講習会などの主催・運営をお手伝いしています。

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